かごめかごめの唄に沿って御覧下さい。

かごめかごめ

笑うという字が「竹と犬」から成っている事から
犬張子と組み合わせて吉祥とされています。
また籠の隅間からは龍が見えますが
籠という字が竹と龍から成っている事と
干支でいう戌の裏干支が辰である事から
戌を守ってくれている関係にあります。

籠の中の鳥は

「籠の中の鳥」は鳥が几(籠)の中におさまっている=「鳳」と解して
籠の中に(籠をひっくり返すと)鳳凰が彫り込まれています。
鳳と凰の雛です。
(鳳凰は隆盛平安の象徴です)

いついつ出やる

犬張子の前掛けに凹と凸の星がそれぞれ5つずつ描いてあります。
これは「いついつ」を「五つ五つ」、つまり五分五分
いついつ出やるかは五分五分であると解してあります。

夜明けの晩に

夜明けの晩には、様々な解釈(説)がありますが
私たちはこれを「日食」と解してみました。
犬張子の腹掛けに皆既日食を描き、月の陰に
ブラックスターという石を留めてあります。
この石は光を当てると右の画像のように
石の表面に十文字が浮かび上がります。

鶴と亀が滑った

犬張子の裏側となる部分に
日食によって昼間にも関わらず晩のように暗くなり
鶴と亀が驚いてる(滑った)様子を描いてあります。

後ろの正面だあれ?

籠に犬張子が重なったところで
後ろ(犬張子の裏側)の正面と成ります。
(干支は酉(鳳凰)の後ろは戌(犬)の順です)
犬張子の両脇に彫られた手は
「後ろの正面だあれ?」と、顔を覆っていた手を
開いた時の様子になっています。

作品を支える置き台が5本指の龍の手になっています。
これは上記しましたように、戌の裏干支が辰という事で
戌を支えるように辰が守ってくれている意味があります。
展示の際に絶妙な角度を維持する役割を担っています。

 

【材料】
・鹿角
・サイチョウの嘴(龍と鳳凰の目に象嵌)
・純銀
・ブラックスター(ダイオプサイト)


【犬張子(張子犬)とは】
江戸の郷土玩具として知られる犬張子。
その起源は平安時代にまで遡ります。

犬は比較的安産かつ、複数の子犬を出産する事や
産後の肥立ちもよく、子も丈夫に育つなどといった事から
当時、上流階級の間では犬筥(または筥犬、犬箱)を
産室に飾り、魔除けとする習慣がありました。

この筥犬信仰が時を経て庶民にも広がり、
江戸の末期になると、丸みのある犬の人形として
子供の健やかな成長を祈願する御守や縁起物となり
明治から昭和には、宮参りの祝いとして母方の実家や親戚
また友人知人からの贈られ、大切に飾られるようになりました。

「お手」をしていたり、振り返っていたりと
犬張子に独自解釈の表情をつける事で
愛らしく親しみのある張子犬に仕上がりました☆

制作:2010年

高円宮コレクション






Copyright Yaoyorozunohako@quricala, All Rights Reserved.