〜「美しき花に集うもの達」をテーマにした簪〜


モチーフには、それが単なる印に過ぎないものだとしても
華を添えるに相応しい象徴としての存在があります。

地上的から天上的への華麗なる変貌と発展の象徴である
こちらの蝶々のデザインは、シルエットと模様を描くこと
合計21パターンの中から生まれた意匠になります。


今作に限らず、見えない所にもひと工夫凝らしていますが
簪の場合は背後から蝶々の裏面もしっかり見えてしまいますので
裏面もまたしっかり世界観を描こうと『蜜蜂』を登場させました。

蝶々と蜜蜂の共通として、花に集う事から簪を挿す方を花に例え
「美しき花に集うもの達」というコンセプトが形成されました。


フィニッシュは光沢とツヤ消しを何通りか使い分ける事で
シンボリックに偏ったイメージと本体の重厚感を和らげると共に
蝶々の華やいだ息吹きと繊細さを浮かび上がらせました。

翡翠は年配の方が着けられるというようなイメージを持たれがちですが
デザインや、他の石との組み合わせ方によってはモダンな印象になりますし
翡翠の凛とした表情を活かせるワンポイントをも担える石だと思います。


蜜蜂のボディは象牙で作られており(目は琥珀です)
親しみのある愛らしい表情に仕上げられています。
この蜜蜂は白い牡丹に留まっているという意匠ですので
蝶々の裏側は牡丹の葉が何枚か彫り込んであります


蜜蜂の羽はシルバーで、蜜蜂を留める役割を担っており
雄しべに見立てた爪で牡丹の前方から押さえ込んであります。

【材料】
・純銀
・ブルームーンストーン
・翡翠
・象牙
・琥珀

制作:2007年

個人蔵





Copyright Yaoyorozunohako@quricala, All Rights Reserved.