『火付盗賊改方』(鹿角、象嵌/目:真鍮)
ニホンオオカミは神格化され、大口真神と崇められ
人の言葉を理解し、善人を守護し、悪人を罰すると云う。
特に商人の間では、火事や盗難除けのご利益があるとされる
そのオオカミは大神であり、真神(オオカミの別名)である。
そんな狼信仰を題材に、オオカミが十手を持ち
真神のご利益を火付盗賊改方に重ね合わせ
炎を踏みつけている姿が彫り込まれている。
紐穴の縄模様は下手人を縛る縄を彷彿させる。
筋骨隆々の頼り甲斐のある身体で睨みを利かせ
まさに守護神に相応しい姿に仕上げられている。
〜京都清宗根付館所蔵
〜