『磯峰(しほう)』(鹿角)

御依頼主からの御要望で制作された茶道具の根付で
茶碗は志乃焼きをモデルに各部が誇張されている。
口縁は連なる峰のようにそそり立ち、御依頼主が好む山のイメージ。
側面には御依頼主の住まいから見えるような磯の景色として
波と岩、反対側にひび割れを金継ぎで修復したように見せている。
ひびは「人」という字が並び、人々が手を繋ぐようにも見える事で
茶道における人と人との繋がりが大切さが表されている。

茶碗の中には茶筅が彫り出しで入っている(根付としての解釈)。
底は鹿角の髄を用いて、高台のザラザラつきと、紐穴になっている。
御依頼主からの御要望で通常の銘とは別に花押風の銘も入れらた。
磯を(し)と読み、峰を(ほう)として、磯峰(しほう) と読む。
磯と峰(山々)が御依頼主にとっての至宝とかけた題名になっている。
〜内山コレクション〜