〜2005年〜

垣根の王様(鹿角)



ドイツの民話にある『鳥の王様選び』がモデル。
鳥達の中で「一番高く飛んだ者が王様になる」としたのだが
この小鳥が勝っても認められず、逆に追い回されるはめになり
梟に見張られながら遂には垣根の中等を動き回るようになった。
ちなみにこの小鳥は「ミソサザイ」という鳥で
ドイツでは「垣根の中をうろつく者」という意味だとか…。


 どんなに垣根の中だけで
 自ら王様だと主張したところで
 外では強い者が睨みをきかせており
 所詮は井の中の蛙・・・

 そんな梟の存在を示すかのように
 梟の羽根が落ちている。

鹿角の根元(クラウン)を用いて
横から見ると垣根が王冠の形になっており
世界観が随所に凝縮されている作品である。

〜扇蔵〜


風騒ぐ(象牙)


虎うそぶけば風騒ぐ
竜吟ずれば雲おこる
という格言からイメージを発展させ
「うそぶく」とは吠える、又は唸る意で
虎が頭をもたげて吠えれば風が吹く造形で
卓抜した人物が立ち上がると、社会に風雲を
巻き起こす…というメッセージが託されている。



月下の祈り(猪牙)




素材の牙の原形をなるべく残したかった事から
三日月に見立て夜空にコウモリ達がエサを求めて
月夜の夜空を飛び交うシーンが彫刻されている。
また、三日月の裏面は草に見立てられており
下界では草の裏に蛾が隠れている図となっている。
これは蛾がこのまま夜空に飛び立てばコウモリの
エサになってしまうかもしれないという状況の中で
「ただでは死なぬぞ…」と産卵しているシーンである。
子孫(卵)を産み残す事はモノ作りする者にとっても
良い作品を残してゆきたいという思いへと通じている。



あやしい怪(鹿角)



鹿角の外側と内側のコントラストの相違を活かした作品。

表は目が3つある小僧のようで、裏に口があるのだが
この根付を置く事で口は伏せられる事になる…つまり、
「目は口ほどにものを言う」や「口は災いの元」といった
余計なおしゃべりは禁物であるという意味が託されている。

身につけると目が正面となって睨みをきかせた邪視除けとなる。

また、3つめの目は暗闇で光るようになっているのだが
「暗い時代であっても目先が明るくなるように…」という
一風の願いが込められているかのようである。

〜扇蔵〜



春・秋・冬(象牙)〜帯留〜




一風が得意とするモチーフの1つである「月と兎」に
「桜」が漂舞するこの図案は、帯留の使用頻度に合わせ
夏以外の『春・秋・冬』の四季がテーマとなっている。
つまり、「春は桜」「秋は月」「冬は白兎」である。



猫:其の壱(象牙)〜小根付〜



甘えん坊な猫がこちらの気を惹こうとしているかのようで
そのポッチャリとしたシルエットと共に心を惹かれる。
ペンダントにも出来るように制作された猫の小根付。


猫:其の弐(象牙)〜小根付〜



ふくよかな猫がじゃれるように丸まったポーズに
心を奪われたのは飼い主だけでないハズ…。
ペンダントにも出来るように制作された猫の小根付。

Copyright ippu@quricala, All Rights Reserved.