〜2004年〜
北の哀歌(鹿角)
北海道の限られた場所に棲息するシマフクロウが
赤い本の上に乗り足でページをめくろうとしている…。
レッドデータブックに自らも掲載されている事を示しながらも
「このまま行けば貴方達人間もここに載るかもしれない!」と
睨みをきかせながら警告のメッセージを発信している作品。
微妙に角度の違えるだけでシマフクロウの表情に
凄みがあったり、嘆いているようにも見える。
〜高円宮コレクション〜
※レッドデータブック
国際自然保護連合(IUCN)という世界的な規模による
絶滅のおそれのある野生生物とその生息状況が解説された本。
※撮影:高円宮妃久子殿下
|
隠れ里(鹿角)
キュウリを好む河童の為の隠れ里(ユートピア)…。
鹿角の素材をキュウリに見立てた差根付となっている。
表面は山水画のようなテイストでユートピアを描き
キュウリの蔓の部分から龍へと変化し、龍の口から
吐き出されるかのように滝が流れ落ちてゆく。
下方の岩の上では河童の3匹が気持ち良さそうに
くつろいでいる姿が彫刻されている。
〜扇蔵〜
|
へのかっぱ(象牙)
河童が命を助けてもらったお礼に人間に薬を授ける…
そんな伝説をモチーフに一風らしい造形が展開されている。
腰から薬の入った巾着を下げ、口には好物のキュウリをくわえ
「医学」と「好きな事を楽しむ精神的なバランス」さえあれば
病気なんか「へのかっぱ」である…という想いが込められている。
|
魂の叫び(鹿角)
一風自身が「病的なほどヤバイ」と語るこの作品は
「口から不満の炎をブチまけたかった」当時の自分の姿を
まるでそのまま投影しているかのようであって興味深い…。
身を削って根付を作る一風にとって作品は分身なのであろう。
〜扇蔵〜
|
水辺の唄(象牙)
蛙が水草の上に登り、頬を膨らませ唱っている。
水草はト音記号の形になっており、その上を走る五線譜に
おたまじゃくしがメロディを奏でているかのような造形は
幅広い音楽を好む一風ならではの作品といえるであろう…。
|
麒麟(鹿角)
鹿角の素材を活かした造形を見い出して以来
イメージしていた麒麟の図案にぴったりとハマる
素材との一期一会は、かけがえのない楽しみである。
流れるような巻髪のラインが全体のシルエットに絡み
美しさを引き出す全体の構図は目新しくまとめられている。
(鹿角で彫られた麒麟は珍しいかもしれない・・・。)
|
煮干し(鹿角)〜小根付〜
ひたすら写実性にこだわった作品
その質感は煮干しそのものである。
一風の作風としては珍品小根付。
|
鰹節(象牙)〜小根付〜
ひたすら写実性にこだわった作品
削った痕の模様が気にいっているという…。
一風の作風としては珍品小根付。
|
Copyright ippu@quricala, All Rights Reserved. |