〜2003年〜

長い髪(黄楊/鹿角)



耳たれウサギの総称であるロップイヤーが月で餅つきをした後
毛を整えてグルーミングしている様子を形にしたかったという…
御覧のとおりロップイヤーが毛をグルーミングしている姿が
女性が髪をとかしているように見えた所から生まれた作品である。
片目をつぶり、しっとりとした雰囲気が醸し出されている。


豆腐小僧(象牙)




頼まれもしないのに豆腐と酒を持ち人の後をつけまわす
・・・そんな江戸時代のストーカー妖怪であるが
気が弱く奥手な姿が愛らしいキャラクターである。
目が2つある豆腐小僧が主流である所、一風の好みにより
江戸後期の漫画に登場した1つ目にて制作されました。



福引き(鹿角)



河童に手を引かれると客商売、特に水商売には縁起がイイ…
鹿角の根元部分を用いて素材の風味が巧く活かされた
河童の手は、福の象徴である「お福さん」を掴んでいる。
お福さんが抱えた「おみくじ箱」を河童が引く前に
おたまじゃくしが大吉を引き当て先を越されてしまった。

「それでもね、残り物には福があるんですよ」という
一風ならではのユニークなストーリが綴られた作品である。



鬼蜘蛛(鹿角)




昔話で語られる鬼には悪役を超越した存在感がある。
現在も動物や虫の名前、言葉の中に残る「鬼」であるが
どこか「強者どもが夢の跡」のような状態で寂しい。
そんな「鬼の嘆き」が一風の解釈で彫り込まれている。

顔は迫力ある形相ながらも背中では泣いている…
「本来の鬼の姿」を好む一風の愛情溢れる作品。



鯱(黄楊)



魚と虎と書いて鯱・・・
漢字の綴りを元に虎の縞模様があり
その表情もまるで虎のようであるこの作品は
実際の鯱というよりも怪物的解釈からか
あやかしきシャチホコである。



和(黄楊)




三羽の兎を向かい合わせに構成された図案は
家紋の「三つ兎」紋がベースになっている。
三羽の兎がそれぞれ弧となり和を成している様から
影響し合ったり引き出し合ったりするモノ作りの喜びと
その中から紡ぎ出される穏やかな温もりが感じられる。

〜扇蔵〜



猿親子「ぬくもり」(象牙)〜小根付〜




降りしきる雪景色の中に溶け込むかのように
猿の親子が抱き合って温まっている姿と
「じっ〜としている」表情が愛らしい…。

Copyright ippu@quricala, All Rights Reserved.