〜2002年〜

『かゆい怪』(鹿角)


 自身の実用として、乾燥肌の一風が
 背中をかく為の孫の手を欲していた
 ところから思いついた作品。
 妖怪の口から出ている舌の先端が
 手に変化しているアイデアは制作中に
 思いついたという洒落た作風と
 素材の質感を活かしきった点でも
 自他共に認める逸作である。

『こまんたれぶ〜』(象牙)

「ただ豚が彫りたい」という想いから
 仏語「Commet allez-vous ?」
 =「コマンタレヴー」と
 豚の「ブ〜」を掛けた作品。
 フランスパンをかじつく豚さんが
「お元気ですか」とおどけるのです。



『街土産』(鹿角)

親カラス天狗が某社フライドポテトくわえながら
山の古巣で待つ子カラス天狗の元へ飛び急ぐ情景。
裏面の子カラス天狗は待ちくたびれた眠ってしまいました。
童謡「七つの子」と現代のカラスの生活を
カラス天狗に託して彫り込まれた作品。


十五夜の怪盗(象牙)

狸が玉袋を被って満月に化け、団子を盗む…というこの作品は
一風が幼い頃、十五夜の晩は近所の家々を回遊し
月見用のお供え物をだまって盗んでも良いという風習を
一風自身が毎年楽しみにしていたという想い出が題材になっている。


『お雪』(鹿角)

 一風が初めて彫った女性像とはいえ
 素材の白さと一風の本能より雪女となる。
 髑髏を抱く姿と裏腹な優し気な表情が
 妖かしらしさを際立たせている作品。

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